7月初めの天気の良い朝、定年退職して時間を持て余していた私は、ツーリングに出かける準備をして駐輪場に降りて行った。
出かける前にバイクの点検をすると、ネジの緩みを発見。
ドライバーを取りにもどり、部屋に入ると・・・
妻が「頭が痛い!痛い!」とうずくまっていた。
救急車を呼ぼうと思ったが、車で行ったほうが早いと判断し病院へ。
車椅子に乗せ急いで受付に。
何をどう説明したのか覚えていないが、とにかく早く診察してくれ!というようなことを言ったのだろう。
すぐに診察が始まり、検査の結果、クモ膜下出血との診断。
UCU(高度治療室)に入院。
しばらくして、病室に通された。
目をガーゼでふさがれ、酸素マスクを付け、点滴を打たれた姿を見た時は、
「これからどうなるんだろう?」と不安でいっぱいだった。
さらに、10日後には長男の結婚式も控えていてどうしよう?
色々なことが、頭の中で堂々巡りしていた。
夕方、医師から今後の治療方針について説明があり、同意書にサインをした。
ここから、何度かの検査、治療を経て2週間後には退院、心配していた後遺症もほとんど残らなかった。
今振り返ると、あの時バイクのネジが緩んでいなかったら・・・