検査室のベッドに横になり、少しすると意識がなくなった。
目を覚ますとリクライニングチェアにいた。
検査室からどうやって移動してきたのかもわからない・・・
眠っているうちに検査が終わった。
今回は目覚めが悪いな。
いつもなら、目が覚めた後すっきりと気持ち良いのに、無理やり起こされた時のようだ。
もう少し寝ていたかったな。
しばらくして、医師から検査結果の説明が。
「変わり無いですね」
「大丈夫でしょう」
「また来年、いや、次回から2年おきでいいでしょう」
毎年こんなことを繰り返している。
11年前、会社の健康診断で二次検査の通知が・・・
初めての内視鏡検査でドキドキしていたことを覚えている。
検査後医師から
「胃のポリープは大丈夫でしょう」
「それよりもね・・・ 別のものが見つかったんですよ」
え、じらさないではっきり言ってよ。
「食道に、腫瘍が見つかりました」
「精密検査受けたほうがいいですね」
「単身赴任のようですが、どこで受けますか?」
「紹介状も書けますよ」
妙に、腫瘍という言葉だけが頭にこびりついた。
自分が病気になるなんて考えたこともなかったし、腫瘍=必ず手術と思っていた。
結局、地元の大学病院で色々な検査をした結果、良性腫瘍経過観察となった。
そして、定期的な検査が始まり、最初は3月おき、次は半年おき、今は1年おきと。
そして、次回からは2年おきになった。
これだけ検査を続けてきて変化が無いんだから、検査しなくてもよいだろうと思うこともあるけれど、”もしも”ということを考えると、やったほうが安心できる。
健康診断の二次検査って、めんどうとか、時間がとれないとか、色々な理由で受けない人もいると聞く。
「転ばぬ先の杖」 万が一を考えて検査を受けたほうが良いと思う。