冷たい風の中、林を背負った古民家への路を歩く。
左手の広場では、陶器の販売を行っている。
お客で賑わっている店はごくわずかで、他の店では陶芸家と思しき人が椅子に座り、道行く人を眺めている。
一つのテントが気になった。
カップや小さな器が並んでいる中に、多肉植物をカップに植え込んで飾ってあった。
器の色使いに愛らしさが感じられる。
「小品盆栽に似合いそうだ」
何品か物色して、気に入ったものを購入。
頂いた陶歴書を見ると、どこかの窯で修行し、数年前に独立して作品制作をしているようだ。
益子に生まれ、先祖からの窯を継いだわけではなく、ゼロから陶芸家目指して歩んできたんんだな・・・
凄いことだと思う。
陶芸家の暮らしとはどんなものか想像してみる・・・
土と向きあい形を作る。
そして色付け。
火と向きあいながら長い時間をかけた焼成。
けして裕福ではないけれど、簡素で充実した暮らし。
そして、ご夫婦で仲良く仕事をされている風景が目に浮かんだ。
小さな陶器の鉢からそんなことを想った。